長崎地方裁判所佐世保支部 昭和39年(ワ)316号 判決 1965年9月06日
原告 長崎いすゞ自動車株式会社
被告 小谷旭 外二名
主文
被告小谷旭、同小谷広明は、連帯して原告に対し金一、〇〇二、一六四円及びこれに対する昭和四〇年一二月一日から完済に至るまで年六分の割合による金員を支払え。
被告小谷旭、同中村重夫は、連帯して原告に対し金六七二、二七八円及びこれに対する昭和四〇年七月一五日から完済に至るまで年六分の割合による金員を支払え。
原告その余の請求を棄却する。
訴訟費用は、これを一〇分し、その六を被告小谷旭、同小谷広明、その余を被告小谷旭及び同中村重夫の各連帯負担とする。
この判決は、第一、第二項に限り、原告において、被告小谷旭に対し金五〇〇、〇〇〇円、同小谷広明に対し金三〇〇、〇〇〇円、被告中村重夫に対し金二〇〇、〇〇〇円の担保を供するときは、それぞれの部分につき、仮に執行することができる。
事実
第一、当事者双方の申立
原告訴訟代理人は、「被告小谷旭、同小谷広明は連帯して原告に対し金一、〇二四、三二九円及びこれに対する昭和四〇年七月一五日から完済に至るまで年六分の割合による金員を、被告小谷旭、同中村重夫は連帯して原告に対し金六七二、二七八円及びこれに対する前同日から完済に至るまで年六分の割合による金員をそれぞれ支払え。訴訟費用は被告等の連帯負担とする。」との判決並びに担保を条件とする仮執行の宣言を求め、被告旭同重夫は「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求めた。
第二、当事者双方の主張
一、原告訴訟代理人は、その請求の原因として、次のとおり陳述した。
(一)、原告は自動車の販売を業とし、被告旭は採石業を営むものである。
(二)、原告は被告旭に対し、
(1) 、昭和三八年九月二二日自動車一台(車名いすゞ、形状ダンプ、型式TX三四一、一九五八、車台番号五八-TX三四一、二三一四四九、原動機の型式DA一二〇、以下単に第一自動車という。)を代金は金四五〇、〇〇〇円とし、うち金七〇、〇〇〇円は即日、残金およびこれに対する右自動車引渡の日の翌日から金一〇〇円につき一日金三銭五厘の割合による金利を加算した金四一三、六六八円を、同年一〇月末日限り金二八、六六八円、同年一一月から同三九年五月まで各月末日限り金二八、〇〇〇円宛、同年六月から同年一二月まで各月末日限り金二七、〇〇〇円宛分割支払うこと、割賦金の支払を怠つた場合には期限の利益を失い、残額を一時に支払うべき旨及び原告は何等の催告を要しないで契約を解除できる旨の約定で売り渡し、
(2) 、昭和三八年一一月一九日自動車一台(車名いすゞ、形状トラツク、型式TX五四二-D、一九六一、車台番号六一-TX五四二、二五八九九五、原動機の型式DA一二〇、以下単に第二自動車という。)を、代金は金一、一五〇、〇〇〇円とし、うち金五〇、〇〇〇円は即日、残金およびこれに対する右自動車引渡の日の翌日から金一〇〇円につき一日金三銭五厘の割合による金利を加算した金一、二五二、三八九円を、同年一二月末日限り金五三、三八九円、同三九年一月から同年三月まで各月末日限り金五三、〇〇〇円宛、同年四月から同四〇年一一月まで各月末日限り金五二、〇〇〇円宛分割支払うこと及び前同旨の約定のもとに売り渡し、
(3) 、昭和三九年一月一四日自動車一台(車名いすゞ、形状トラツク、型式TXD四〇、一九六四、車台番号六四-TXD四〇、一一二二九三二、原動機の型式DA一二〇、以下単に第三自動車という。)を、代金は金二、一九〇、〇〇〇円とし、うち金一〇〇、〇〇〇円は即日、残金及びこれに対する右自動車引渡の日の翌日から金一〇〇円につき一日金三銭五厘の割合による金利を加算した金二、四〇一、六四〇円を、同年二月末日限り金九三、六四〇円、同年三月から同年一〇月まで各月末日限り金九三、〇〇〇円宛、同年一一月から同四一年三月まで毎月末日限り金九二、〇〇〇円宛分割支払うこと及び前同旨の約定のもとに売渡し、
(4) 、昭和三九年一月三一日自動車一台(車名いすゞ、形状トラツク、型式TXD四〇、一九六四、車台番号六四-TXD四〇、一一二六〇四四、原動機の型式DA一二〇、以下単に第四自動車という。)を代金は金二、一九〇、〇〇〇円とし、うち金一〇〇、〇〇〇円は即日、残金及びこれに対する右自動車引渡しの日の翌日から金一〇〇円につき一日金三銭五厘の割合による金利を加算した金二、四一一、六四〇円を、同年三月末日限り金九三、四六〇円、同年四月から同四〇年九月まで各月末日限り金九三、〇〇〇円宛、同年一〇月から同四一年四月まで毎月末日限り金九二、〇〇〇円宛分割支払うこと及び前同旨の約定のもとに売渡し、
被告広明は右第一、第二自動車の、被告重夫は右第三、第四自動車の売買契約に基づく債務につき、原告に対し連帯保証債務を負担すべきことを約諾した。
(三)、原告は、直ちに被告旭に対し、右第一ないし第四自動車を引渡し、同被告は第一自動車について昭和三八年九月二二日から同三九年三月三一日までの間に右代金中金二三八、六六八円を、第二自動車について同三八年一一月一九日から同三九年三月三一日までの間に右代金中金二六二、三八九円を、第三自動車につき、同三九年一月一四日から同年三月三一日までの間に右代金中金二八六、六四〇円を、第四自動車について同三九年一月三一日から同年三月三一日までの間に右代金中金一九三、四六〇円をそれぞれ原告に対し支払つたが、その余の支払をしない。
(四)、そこで原告は昭和三九年八月一四日前示各約定に従い、第一、第三、第四自動車の各売買契約解除の意思表示をなし、該各意思表示は同日被告旭に到達した。
(五)、ところで、本件各売買契約は、被告旭について附属的商行為たるものであるから、割賦販売法第五条第三項の規定によつて、同条第一項の規定の適用がなく、従つて催告を要しないで契約解除ができる旨の前記特約は有効であるから、第一、第三、第四自動車の各売買契約は昭和三九年八月一四日限り、適法に解除された。
(六)、原告は昭和三九年八月一四日被告旭から右第一、第三、第四自動車の引渡を得て爾来これを占有しているが、第一自動車の定率法による減価償却額金一七六、六三六円及び右自動車の通常の機能を維持するに必要な修理費金四六、三六一円合計金二二二、九九七円がその間における右自動車の通常の使用料であり、第三自動車を引渡した同三九年一月一四日から右同日までの右自動車の定率法による減価償却額金五六〇、八五五円及び前同修理費金三八、九六一円合計金五九九、八一六円がその間における右自動車の通常の使用料であり、第四自動車を引渡した同年一月三一日から右同日までの右自動車の定率法による減価償却額金五一六、三〇一円及び前同修理費金三六、二六一円合計金五五二、五六二円がその間における右自動車の通常の使用料である。
(七)、従つて、原告は、割賦販売法第六条第一号により本件各売買契約の解除に伴う損害として右各使用料相当額の賠償を求めうるところ、既に第一、第三、第四自動車の売買代金として被告旭かも、第一自動車につき金二三八、六六八円、第三自動車につき金二八六、六四〇円、第四自動車につき金一九三、四六〇円の各支払いを受けているので、これが返還債務と各々対当額で相殺すると、原告の同被告に対する損害額は第一自動車につき零、第三自動車については金三一三、一七六円、第四自動車については金三五九、一〇二円となる。
(八)、また原告は、被告旭に対し同被告が期限の利益を失つた第二自動車の残代金一、〇四〇、〇〇〇円の支払を求めうるところ前記第一自動車についてなした相殺の残額と右残代金を対当額で相殺すると原告の同被告に対する第二自動車の売買残代金は金一、〇二四、三二九円となる。
(九)、よつて原告は第二自動車の売買残代金として、被告旭、同広明に対し連帯して金一、〇二四、三二九円及びこれに対する本件請求の趣旨原因変更申立書(第三回)送達の日の翌日たる昭和四〇年七月一五日から完済に至るまで商法所定年六分の割合による遅延損害金の支払を、また第三、第四自動車の売買契約に伴う損害賠償として、被告旭、同重夫に対し連帯して金六七二、二七八円及びこれに対する前記申立書送達の日の翌日たる右同日から完済に至るまで商法所定年六分の割合による遅延損害金の支払を求めるため、本訴請求に及んだ。
二、被告旭は答弁として次のとおり陳述した。
請求原因第一、第二、第四項の事実は認める。
同第三項の事実中買受けた各自動車代金の支払状況は知らないがその余の事実は認める。
同第六項の事実中第一、第三、第四自動車を原告に返還したことは認めるが、返還した日は知らない、その余の事実は否認する。
第七項ないし第九項は否認する。
以上の次第であるから、原告の本訴請求は、失当として棄却さるべきである。
三、被告重夫は、答弁として次のとおり陳述した。
請求原因第一項、第二項の(3) 、(4) 、の各事実、被告重夫が第三、第四自動車の右売買契約に基く債務につき連帯保証をしたこと、同第三項中第三、第四自動車に関する被告旭の代金支払状況、第四項の事実はいづれもこれを認める。
原告において、本件各売買契約を解除するに先立つて被告重夫に被告旭の債務不履行の事実を通知していたなら、保証人と再契約する等の方法もあつたと考えられるのに、このような事前通知なくしてなした右売買契約の解除は不当である。
第六項中原告主張日時に被告旭が第三、第四自動車を返還したことは認めるが、その余の事実は否認する。
同第七項ないし第九項の事実中第三、第四自動車に関する部分はいづれもこれを否認する。
以上の次第であるから、原告の被告重夫に対する請求は、失当として棄却さるべきである。
四、被告広明は、適式の呼出しを受けながら本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面も提出しない。
第三、証拠<省略>
理由
一、被告旭に対する請求について、
(一)、請求原因第一、第二、第四項の事実および同第三項の事実中被告旭が本件各自動車を原告主張の日に引渡を受けたこと、同第六項の事実中第一、第三、第四自動車を被告旭が原告に返還した事実は、いずれも当事者間に争いがない。
(二)、成立に争いのない甲第一ないし第四号証、証人内海純夫同松尾仁の各証言を綜合すると、原告が割賦販売業者であること、被告旭が本件各自動車を原告から購入したのは右各購入自動車をもつて採石業を営むためであつたことが認められるから、被告旭の本件各自動車の購入は同人の附属的商行為と解するを相当とし、従つて催告を要しないで契約を解除することができる旨の特約は有効であると認むべきであるから、第一、第三、第四自動車の各売買契約は昭和三九年八月一四日限り、適法に解除されたものといわざるを得ない。
(三)、そして、原告が割賦販売業者であることは前叙認定のとおりであるから、原告は本件第一、第三、第四自動車売買契約の解除に伴い割賦販売法第六条の規定による損害の賠償を求め得るところ、原告は右各自動車について同条第一号に規定する使用料相当の損害賠償を求めるので、先ずこの点について判断する。
惟うに、自動車の賃料、すなわち使用料は、自動車の使用収益の対価として支払われるものであるから、当該自動車の価格(投下資本)に対する適正利潤と必要経費とを合計したものであつて、その算出の方式は、
賃料=適正利潤(価格×期待利廻り)+減価償却額+公租公課+管理費用
によるのが相当である。そして、期待利廻りは通常商事法定利率によるのが相当であり、減価償却額は、自動車が性質上損耗の甚しいものであることを考慮し、耐用年数を四年として定率法によつて算出するのが相当であると考える。また、管理費用とは、通常財産を保管してその経済上の用途に適合させるために要する一切の費用を指称するが、使用料が物に対する使用収益の対価であることに思いを致すならば使用料算定の基礎となる管理費用は、特別の事情の存しない限り遅くとも使用者がその物の使用を止めるまでに生じたものでなければならないこと当然である。
そこでこれを本件第一、第三、第四各自動車について考えるに、割賦販売契約成立当時における第一自動車の価格が金四五〇、〇〇〇円、第三自動車の価格が金二、一九〇、〇〇〇円、第四自動車の価格が金二、一九〇、〇〇〇円であつたこと、原告は被告旭に対して第一自動車を昭和三八年九月二二日に、第三自動車を同三九年一月一四日に、第四自動車を同年一月三一日にそれぞれ引渡したこと、原告が同被告から右各自動車の引渡しを受けた事実は、いずれも前叙認定のとおりであつて、原告が右各自動車の引渡し(返還)を受けた日が同三九年八月一四日であつた事実は、証人内海純夫の証言、成立に争いのない甲第四、第六、第七号証の各二の記載を綜合して認めることができる。しかして
(1)、本件各自動車の適正利潤は
(イ)、第一自動車につき、右自動車の価格金四五〇、〇〇〇円に原告がその返還を受けた日まで三二八日間の商事法定利率年六分の割合による金二四、一九六円であり、
(ロ)、第三自動車につき、価格金二、一九〇、〇〇〇円、日数二一四日間として右(イ)の例によつて計算した金七六、八二九円であり、
(ハ)、第四自動車につき、価格金二、一九〇、〇〇〇円、日数一九七日間として右同の計算をした金七〇、七二六円である、
ことはそれぞれ計数上明かである。
(2)、本件各自動車に対する前示定率法によつて算出した右各期間内の減価償却価格が、
(イ)、第一自動車につき金一七六、六三六円であり、
(ロ)、第三自動車につき金五六〇、八五五円であり、
(ハ)、第四自動車につき金五一六、三〇一円である、
ことも、また計数上明らかである。
(3)、甲第一ないし第三号証には、公租公課は被告旭の負担とする旨の記載があり、これに本件口頭弁論の全趣旨を綜合すると、前示各期間内における公租公課は同被告において支出したものと認めるのを相当とするから、本件各自動車の賃料の算定においてはこれを除外すべきものである。
(4)、次に原告は、本件各自動車の通常の機能を維持する程度の修繕費として、第一自動車につき金四六、三六一円、第三自動車につき金三八、九六一円、第四自動車につき金三六、二六一円を要するからこれもそれぞれの使用料に包含すべきものであると主張するので、右修繕費が本件各使用料算定につき必要とする管理費用に該当するかどうかについて検討するに、原告主張の修繕費はいずれも被告旭から前記各自動車の返還を受けた後のものであること、証人内海純夫、同松尾仁の証言並びに弁論の全趣旨に徴して明かであつて、特別の事情につき何等の主張立証も存しないのみならず、却つて甲第一ないし第三号証の記載によると、右各自動車の売買契約を締結するに当り、被告旭は原告に対し右各自動車の修繕に要する一切の使用を負担すべきことを約し、かつこれが費用を負担していた事実を窺知することができるのである。また弁論の全趣旨によると、原告が主張する右各自動車の通常の機能を維持する程度の修繕費と称するものは、他に転売若しくは賃貸するに必要な修繕費(原告が割賦販売業者であるところからもこれを推認するに難くない。)ないしは、減価償却として前示計上した使用料に包含されているものと認めるのが相当である。そうすると、他に格別の事情につき主張立証の存しない本件にあつては、右修繕費は本件各使用料の算定につき考慮すべき管理費用に該当しないものといわなければならない。
しからば被告旭が本件各自動車を原告に返還するまでの使用料は、第一自動車につき右(1) (イ)と(2) (イ)の合計金二〇〇、八三二円、第三自動車につき右(1) (ロ)と(2) (ロ)の合計金六三七、六八四円、第四自動車につき右(1) (ハ)と(2) (ハ)の合計金五八七、〇二七円であるから、原告は本件各売買契約の解除に伴い右各使用料相当額の損害を蒙つたものといわなければならない。
(四)、しかして原告が被告旭より第二自動車の代金として金二六二、三八九円の弁済を得たことは、原告の自陳するところであるから、同被告は、右第二自動車について、なお売買代金(最終弁済期日までの約定金利を含む)一、三〇二、三八九円から右金二六二、三八九円を差引いた残代金金一、〇四〇、〇〇〇円の支払義務あること明かである。
(五)、原告が、被告旭から本件各自動車の売買代金として第一自動車につき金二三八、六六八円、第三自動車につき金二八六、六四〇円、第四自動車につき金一九三、四六〇円の各支払いを受けていたことも、また原告の自陳するところであるところ、原告は、昭和四〇年三月八日の本件口頭弁論期日において、売買契約の解除に伴うこれが各返還債務と右各損害賠償請求権とをそれぞれ各自動車に関するもの毎に対等額で相殺したこと及びその結果なお原告が被告旭に対して負担する右第一自動車に関する代金返還債務と前項の売買残代金とを対当額で相殺したことは、いずれも本件記録上明かであるから、同被告は原告に対し第二自動車につき前示金一、〇四〇、〇〇〇円から右の金三七、八三六円(二三八、六六八円から二〇〇、八三二円を差引いた額)を控除した金一、〇〇二、一六四円、第三自動車につき前示金六三七、六八四円から右の金二八六、六四〇円を控除した金三五一、〇四四円、第四自動車につき、前示金五八七、〇二七円から右の金一九三、四六〇円を控除した金三九三、五六七円の各支払い義務ありといわなければならない。
二、被告重夫に対する請求について、
(一)、請求原因第一項、同第二項(3) (4) の各事実、被告重夫が第三、第四自動車の右売買契約に基く債務につき原告に対し、被告旭と連帯して支払に任ずる旨約諾したこと、同第三項中第三、第四自動車に関する被告旭の売買代金支払状況、同第四項の事実ならびに同第六項中原告主張の日に被告旭が第三、第四自動車を返還したことは、いずれも当事者間に争いがない。
(二)、しかして、主債務たる第三、第四自動車に関する損害賠償義務の範囲並びに相殺による減額の事実は前段認定のとおりである。そうすると被告重夫は第三、第四自動車に関し、被告旭と連帯して原告に対し合計金七四四、六一一円の支払義務ありといわなければならない。
三、被告広明に対する請求について、
被告広明は、原告の請求原因事実を明かに争わないから、自白したものと看做す、しかしながら、主たる債務者たる被告旭の原告に対する本件第二自動車に関する債務が金一、〇〇二、一六四円であることは、以上に説示したとおりであるから連帯保証人たる被告広明の責任も、また右の限度に止むべきものである。
四、結語
以上の次第であるから、原告の本訴各請求は、被告旭、同広明に対し、連帯して金一、〇〇二、一六四円及びこれに対する履行遅滞後の昭和四〇年一二月一日から(第二自動車の残代金中には、同四〇年一一月末日までの約定利息の包含されている事実は前叙認定のとおりであるから、重ねてこの期間の遅延損害金の支払いを求める部分は失当である。)完済に至るまで商法所定年六分の割合による遅延損害金の支払を求める限度において、被告旭、同重夫に対し、連帯して金六七二、二七八円及びこれに対する本件請求の趣旨並びに原因変更申立書(第三回)送達の翌日であること記録上明らかな昭和四〇年七月一五日から完済に至るまで商法所定年六分の割合による遅延損害金の支払を求める部分は、いずれも正当であるから認容し、その余は失当として棄却すべきものである。よつて訴訟費用の負担につき、民事訴訟法第八九条、第九二条、第九三条、仮執行の宣言につき、同法第一九六条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 長久保武 藤野岩雄 高木貞一)